亜麻色の燦 丸田洋渡

 亜麻色の燦  丸田洋渡

空に棹さして四千の演奏

うっとりと虹の骨子を呑みこむとき

萍をすべらせ川の正しい地図

流しそうめん場の小さな滝と洞窟

しずかな日のしずかな殺人水芭蕉

雨、雨、縫合の亜麻色のさなかに

羽のあるゆたかな舞踏草いちご

花潜ひかりの網にかかりつつ

浮上 いちめんにすずしくて合図は

繭こわれ渦のかたちにやまない燦

 *萍(うきくさ)、燦(さん)

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