アマリリスあしたあたしは雨でも行く 池田澄子

所収:『思ってます』ふらんす堂 2016

 一読して、このアマリリスはアマリリスしている、と思った。太い茎ですっくと立って、吐き出すように外に向かってパカッと開く花。この句の「あたし」の勢いの良さや、意志の強さが、アマリリスの様態に嵌っている。
 そして露骨なくらいに韻が踏まれている。a段とi段が交代して何度も表れる。また、あした – あたし、アマリリス – 雨、の語感の類似もぱっと目に入ってくる。どこに行くのか、誰かと会うのか、その目的は明らかではないが、アマリリスと主体の決意がリズムの上で同調しあって、読後こちらも凛とした気持ちになる。

記:丸田

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