
ツイ廢 柳元佑太
午前はや空き腹の感都鳥
天皇もツイ廢もがな憂國忌
天皇やはれちんぽこに塗藥
三島忌やパンツの中へ幾夢精
寒寒と己が首視ゆ靈三島
三島忌の道連童子あはれめや
皇國や木枯勢を休なく
枝を離れ枯葉力學さやうなら
三島忌や日本腑拔けの啜泣
日本に火事また火事やパンケーキ
短詩系ブログ
ツイ廢 柳元佑太
午前はや空き腹の感都鳥
天皇もツイ廢もがな憂國忌
天皇やはれちんぽこに塗藥
三島忌やパンツの中へ幾夢精
寒寒と己が首視ゆ靈三島
三島忌の道連童子あはれめや
皇國や木枯勢を休なく
枝を離れ枯葉力學さやうなら
三島忌や日本腑拔けの啜泣
日本に火事また火事やパンケーキ
寫眞館 柳元佑太
たましひなんて信じないおまへVS魂魄を抜くカメラ・オブスキュラ
おまへは寫眞館のやうだな、あたたかい暗室を持つおのれのうちに
パブロフの犬なる暗がりの吾ら 愛せなくなるまで愛せたら
眼は窓か 光を容れし部屋に唯一人のための植物が咲く
夕暮のわれは犍陀多、起きしなのわが思惟からむ天井の蜘蛛
海底の圖書館は蒐集せよ夜夜の嵐に船沈むたび
ぎんなんの匂ひを厭ひ龍も嘆き合ひしかぺるむ期じゆら期
銀杏樹に火を虛視ればたちまちにSodomの町か火球降り繼ぐ
火に棲む魚の顏かたち言うてみよ、優しいおまへ優しいおまへ
天體の蝕の一ㇳ日も延々と蟲湧き出づる蟲食林檎
*圖書館(ビブリオテカ)、龍(ドラゴン)、虛̪視れば(そらみ-)
このアパートには住めない 柳元佑太
ぼくがまぼろしなのかもなあ 日溜りに睡ると見えて溶けてゆく猫
この町は河川敷から秋になり人々はそれをたまに感じる
テトラポットは波が好きだが仕方なく波を殺める だから墓です
人間が人間に抱きついてゐる、親密な可能性が高い
かなしみが展いた途だつて分かるあめんぼら薄れながら弾ける
ぼくといふ一人の他者の人称は、すべての色で光りかがやく
もしぼくがとても大きな龍だつたら、このアパートには住めないだらう
ママン宛の手紙を抜けだすな文字よ、宙をただよふ、蝶の寄り来る
虹はすべて何処かで蛇が死んだ合図だ、ママン、掃除をしてくれるなよ
合ひ言葉は会ふときに言ふので愛さ、Be Groovy Or B-Movie.
Let me take you down, ‘cause I’m going to Violet Fields. 柳元佑太
言語野にすみれの咲ける季とわかる こゑがすみれの色になるから
あなたのこゑはぼくのこゑよりもおそい、それをうらやましいと思へり
孤児院に孤児がひとりもゐなくなり、まつ白い箱だけがのこれる
いつぽんのすみれの花のうつくしさに、こゑが追ひつくまで待てばいい
雨がふるまへの匂ひで、すぐ帰る決意のできる友だちであれ
雨のふるあひだでもつとも音がせり 雨があがつてゆける瞬間
ほんたうのこゑを包んでゐるこゑが剥がれてきても冷たくはない
すみれ野は午のあかるさ すぐそこに夏のあらしがやつてきてゐる
もうぼくは優しさを休ませてをり すみれ野のふるすみれの雨に
原つぱのすみれの花をつむための、想像の友だちを忘れない