規則 吉川創揮

 規則  吉川創揮

  

  夏の雨句点を前に蹴躓く

  夕焼の長引く解体工事かな

  分離派や金魚密集のきらめき

  日は一つプールの底の模様剥ぐ

  皿に小さく日当たりのよいゼリー

  野苺や雨のはじめに手をひらく

  糸電話のこゑの解けてあめんぼう

  背表紙を撫でながら夏至書架廻る

  大雨は規則通りの蝸牛

  壁四つ電球に空蟬露わ

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