所収:『星涼』ふらんす堂 2010
野遊びの最中に空を見る、のではなく野遊びのように空を見る。ただ空を共に見ることを、野遊びという楽しい出来事に喩えることのできる、作中主体と「みんな」の親密さは眩しい。「野遊び」・「みんな」・「空」という語の連なりや、助詞の「て」で終わることの余韻が生み出すノスタルジーに浸っていると、野遊びをしない大人に成長しても子供の時とは変わらないもの(みんなとの関係性や空の眩しさなど)を詠んだ句のようにも思える。 シンプルなようでいて読むほどに抒情豊かな1句。
記:吉川