夢中 平野皓大
馬むかし宛なく走る椿かな
若駒や夢中を生れ来る如く
戻るには遠くありけり花筏
後朝の眉間のいろの土匂ふ
木蓮にしばらくぶりの雨女
春の雨猿股猿の如く濡れ
金閣のパズルを飾る春夕べ
わしづかむ本四五冊や春の夢
囀りや老婆の口のさぞ乾く
蛇穴を出でてしきりに腹を巻く
短詩系ブログ
夢中 平野皓大
馬むかし宛なく走る椿かな
若駒や夢中を生れ来る如く
戻るには遠くありけり花筏
後朝の眉間のいろの土匂ふ
木蓮にしばらくぶりの雨女
春の雨猿股猿の如く濡れ
金閣のパズルを飾る春夕べ
わしづかむ本四五冊や春の夢
囀りや老婆の口のさぞ乾く
蛇穴を出でてしきりに腹を巻く