所収:『定本山頭火全集 1』春陽堂書店 1972
風の建物とはどんな風だろう、といつも想像している。そしてその度にいつも形を変える。風の建物自体見つかっていないのか、風の建物は見つかっているが肝心の入口が見つからないのかは分からないが、この句の主体は探し続けている。どこかにあるはずの、 いつか見つかるはずの入口を。
無季自由律なのもまた風らしい。涼しくあやふやで、不安定な感覚。
山頭火には風の句が多い。〈死をまへに涼しい風〉、〈風の明暗をたどる〉、〈つきあたつてまがれば風〉……。今ごろ、風の建物のなかで風として遊んでいるかもしれない。
記:丸田