所収:『現代俳句文學全集 川端茅舎集』(角川書店 1957)
茅舎という名前が好きだ。新しいスタイルが求められていく時代の反動から、忘れられていく物事へ思いを寄せる人々がいる。大正時代は特にそんな作家がたくさん出現した。現代にまで、そうした人の流れは続いている。もしかしたら加速しているかもしれない。その中でも、名前でビシッと態度を示す茅舎である。
墓に参る態度としては、これくらいがちょうど良い。あまり真摯になりすぎてもいけないし、墓の下にいる身としても、そんなに思い詰めて来られたところで逆に心配になる。墓参のついでに和歌めぐりもしちゃお、くらいで良いのだ。逆でも良いかもしれない。和歌めぐりのついでに近くに来たことだし墓にも行っとくか、くらいの感じ。そして歌碑とかのめぐりをして、のんびり暮らしているくらいが良い。それにしても和歌めぐりってなんだろうか。歌碑を見て回ることぐらいで捉えたが、それで良いのだろうか。
記 平野