渾発 平野皓大

籠もまた山のころあひきのこ山

小鳥来る宴をひらくものとして

さうめんは三途の川の長さかな

酔うてゐるあの血色はましら酒

盆の月なるたけほそく飯を巻く

さうなれば盆灯籠も漁区のもの

渾発の字とめぐりあふ夜学かな

虫かごや抱きあふときも床並べ

くぼみゆくほどに夜業の硯かな

灯火親しとつかみをる鉛筆の嵩

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