未来 吉川創揮

未来  吉川創揮

青楓通りて日差し折り重なり

水母から水母の機関溢れかけ

紙は這う火に折れて睡蓮開く

冷蔵庫は未来の匂い眠れない

今日夏の終わりに一人一つガム

蜻蛉の目のつやつやの落ちている

迷路なぞる目玉渦巻く秋時雨

名月の団地に電波ゆき届く

中二階雨の伴うある夜長

考えたつもり林檎を並べては

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