鏡 平野皓大

 鏡  平野皓大

軽躁の尿かがやきぬ夏の山

林間学校水筒の水腐りけり

遊ぶ蛭はたらく蛭を考へる

釣堀や旗の鈍さが腹立たし

住職の呉るる団扇に月並句

稿深く溢れ出すもの真桑瓜

幼眼を鏡と磨く吉行忌

夏痩や全集に木の臭ひして

塵芥ごきぶりと載せ渋団扇

夢に人現れなくて水中り

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