類縁 吉川創揮

類縁 吉川創揮

細雪よさりの窓のその向かう

恋人は鏡のやうでコート着る

キキとララどちらがどちら北塞ぐ

鯛焼の湯気雨に消え雨続き

みやこどり次の駅には忘却す

青鮫は月の類縁歯を撫づる

水硝子硬直といふ見とれやう

クリスマス動物病院に集合

雪折にまなざし遠く研いでゐる

貝睡るなかに変容霜柱