中 吉川創揮

中  吉川創揮

  屋上のパラソル長く見てゐたる

  ボトルシップ葉桜の影重なれる

  父の日のどうも奇妙な足の指

  電車の弧梅雨は車窓の一続き

  紫陽花やゴミの足りないゴミ袋

  はんざきやあたまは読みし本の中

  耳の熱自在に蜘蛛の足遣い

  蠅捨てて忘れて書けば考える

  ガスタンクうすみどりなる梅雨の艶

  冷房や数えの羊居着くなり

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