所収:『平畑静塔全句集』(沖積舎 1998)
言いたいと抑制している。言葉は秘められ、体内で熱せられる。音は雪のなかに消え、自分と雪以外の気配もまた消えていく。雪との静かな対峙、まなざしに慈愛が宿り、自然との温かな交流が生まれる。雪は降りつづいているが、いまが満開でいつか止み、そして溶けてしまう。老人が若者を眺め、若き日を懐かしみ、自らの終わりを予感するような、諦念。自然への肯定、生滅への肯定が確かにここにはある。
記 平野
短詩系ブログ
所収:『平畑静塔全句集』(沖積舎 1998)
言いたいと抑制している。言葉は秘められ、体内で熱せられる。音は雪のなかに消え、自分と雪以外の気配もまた消えていく。雪との静かな対峙、まなざしに慈愛が宿り、自然との温かな交流が生まれる。雪は降りつづいているが、いまが満開でいつか止み、そして溶けてしまう。老人が若者を眺め、若き日を懐かしみ、自らの終わりを予感するような、諦念。自然への肯定、生滅への肯定が確かにここにはある。
記 平野