所収:『江戸櫻』小澤書店 1988
水運が盛んだった「水の都」として、江戸の記憶と密接に関わる淺草川を舞台に、演出らしく小雪を舞わせる作者は江戸情緒の世界に遊んでいるのかと思えば、下五を淺い川にすることで、ただ人びとの記憶のなかを流れる淺草川を描くだけではなく、現在も江戸から変わらずに流れ続ける実景としての淺草川に迫っていく。記憶の景から実景に舵が切られる、その転換点としての「や」、単なる言葉遊びで終わらないところが巧みな一句。
記:平野
短詩系ブログ
所収:『江戸櫻』小澤書店 1988
水運が盛んだった「水の都」として、江戸の記憶と密接に関わる淺草川を舞台に、演出らしく小雪を舞わせる作者は江戸情緒の世界に遊んでいるのかと思えば、下五を淺い川にすることで、ただ人びとの記憶のなかを流れる淺草川を描くだけではなく、現在も江戸から変わらずに流れ続ける実景としての淺草川に迫っていく。記憶の景から実景に舵が切られる、その転換点としての「や」、単なる言葉遊びで終わらないところが巧みな一句。
記:平野