いかさま 吉川創揮 

 いかさま 吉川創揮

つくづくし小橋つづきに車揺れ

せせらぎにほぐれてゆくは落椿

永き日を流れて泡の明と滅

三月の海さかさまかいかさまか

てのひらを集めて薄き春の波

磯遊び未来ほどではない話

頭頂に眠気浮かびて黄水仙

坂の上から花ここはさも故郷

鶯のみどりのかかる写真展

海が夜に押し入るホテル華夕美

春障子蟹の解体騒がしく

朝寝組の寝相見てゐる一旦は

旧賽の河原蕨餅を買いに

春の奥仏の笑みを蔦よぎる

一人づつ一時のある春の潮



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