灯台  平野皓大

 灯台  平野皓大

梟を正面に描く春の皿

花の雲灯台まではすこし山

何時の間に桜博士となられしか

朧なり貝殻売のとほき耳

貝つぶら灯台つぶら鳥帰る

龍天にのぼる砂塵を厭ひつつ

腰かけによき流木や春北風

永き日や佇ちて砂丘のあちこちに

東京へ行きたさうなる凧一つ

民宿夜道百ほどは落椿

朝寝して窓一枚を挟み湖

風呂の子の昨日凧揚げせしとかや

巣燕や時計の音を裏に聞き

ここ断たば橋の崩落木瓜の花

また旅へ花粉症のかほで会はん

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